私たちにできること – ウェル -放課後等デイサービス-
2024.02.09

私たちにできること

学校の授業で「災害時の被災者のメンタルケアについてレポート発表をする」という子がいました。


「文献とかで調べてるんですけど、何か足りない気がして…」
とのことなので、情報提供として今年1月の北陸での被災の話、スタッフの家族で福島県南相馬市に在中している親族の3.11の時の話を伝えました。


東日本大震災の時には原発が復興の妨げになってしまったことが一つの問題として挙げられます。
親族は第一原発から1.5Km圏内に住んでいました。
目に見えない放射性物質から身を守るために一時は県外へ避難していましたが「故郷を捨てるわけにはいかない」と、震災後は自宅に戻っています。


震災の翌年に親族のもとに行く機会がありました。
近所の若い家族はみんな福島県を離れました。親族の家の近くにあった小児科はなくなりました。
子どもがいなくなったこと、若い看護師さんがいなくなったからです。
ファミレスの時給は1500円程の高い賃金でした。若い働き手がいなくなったからです。
親族が「復興なんてまだまだできていない。ここは見捨てられた。」と言っていたことが印象に残っています。


東北の方が避難された時に差別や風評被害も多かったと聞いていました。
自然災害が人の心も傷つけることになってしまうことも二次被害だと考えます。


今回の北陸の地震では、幸い原発事故には至らなかったのですが不安要素は大きくありました。
また、大規模火災が起きたことにより「古き良き街並み」は一瞬でなくなりました。
しかし、TVに映るのは石川県の奥能登がほとんど。近隣の富山県や新潟県も被害が出ていることはあまり知られていません。
被害の大きさには関係なく、みんなそれぞれが大変な思いをしていることを知ってほしいと思います。


復興までには長い長い時間がかかります。
「風化」してしまうこと、これは避けなければなりません。
支援していく側も大きな負担が課せられていますが、それを支えていくことも風化させてはいけません。
各自が大きな負担がかからないように支援を続けていくこと。自分ができることを考えることが、復興に繋がります。
直接現地に赴いてボランティアをするだけが支援ではなく、その土地の名産品を買う、落ち着いたら旅行に行くことも方法として挙げられます。


そのようなことを伝えたところ、先日「レポートがあらかたできました」と見せてくれました。



災害はいつ誰のもとに訪れるかもわかりません。
日頃から意識をしておくことも大切です。
実際に被災された人の思いを知っておくことも大事だと思います。
今回の授業で、何か感じてくれる人が1人でもいればいいなと思いました。

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