仲間の大切さ
学校でトラブルを起こした子がいました。
クラスに発達障がいを持つ子がいるそうです。その子が独り言や立ち歩きをしているのを見て、我慢できずに「あいつ殴ってきて」と友達に言ったことが先生の耳に届き、注意を受けたそう。
本人の言い分としては「自分だって、発達障がいを持っている。でも、頑張っている。自分が頑張っているのに、頑張らない人を見るのは腹立たしい。自分ばかり我慢しないといけないことが納得いかない」というものでした。
これら一連の内容は、保護者の方からの連絡で知りました。「親からの言葉は入らない」
年齢が高くなるにつれて、親からの注意や話は入りにくいものです。
「自分は悪くないの一点張り、どう話せば伝わるか…」
「ウェルにいる友達の力も借りて、本人に話してみます」
同世代の仲間の力を借りてアプローチをしていこうと、本人と仲の良い子達に協力を仰ぎました。
みんなで話す場を設け、先ずは「どんなことがあったのか、どんな気持ちだったのか」を話してもらいました。その話を聞いたみんなはどう感じてどう思ったか、アドバイスとして何が伝えられるかを伝えてもらいます。
トラブルを起こした子は「叱られる」という気持ちもあったのか、あまり表情は良くありません。
しかし、みんなの雰囲気作りは上手なものでした。
穏やかな空間の中で「なにがあったん?」「まずはどんな気持ちになったのか教えてよ」と、相手の言い分を聞こうとしてくれていました。
ぽつりぽつりと話すその子に「そっかぁ」「気持ちはわからんでもないけど、それはあかんなぁ」と、言い分を受け止めつつ良くないことをしっかり伝えてくれていました。
「俺も発達障がいは持ってるから、頑張ってる気持ちはよくわかる」と、自分のことも話してくれる子もいました。
指導員からは「腹が立ったり我慢できない時に嫌だなと思ってもいい、でもそれを行動で相手にしかけるのは良くない」、「誰かを巻き込んだり攻撃することはよくない」などを伝えました。
自分のしてしまったことの何がいけなくて、どう気持ちのコントロールをしていけば良かったのかを考え、自分の言葉でまとめてもらい、その場は一旦終わりにしました。
すぐに気持ちの切り替えや考え方を直すことはできないかもしれない。でも、してはいけないことは意識していてほしいな…と思います。
後日、保護者の方からは「ウェルに行って話してよかったと言っていました」と報告をいただきました。
「昔の自分と重ねて嫌な気持ちになっている部分もあるかもしれない」
本人の抱える「苦しさ」も影響していたのかもしれません。きっと、複雑な心境だったんだろうと思います。
自我の芽生え、自己認知が進むにつれて出てくる問題や課題。気の知れる仲間、同じ課題を持つ仲間がいて、それを共有できることで、視点や思考の修正もできることもあります。そんな仲間に巡り合えることの奇跡。大事な仲間の存在の有難さが感じられる出来事になりました。
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